遠くへ
う。なんか最終回みたいなタイトル付けちまった。
終わんないよー。終わりませんよ、この日記は。
大学生の頃、200人くらいの大講堂での講義の最中、まだ半分くらい時間がある時に、
「それじゃあ、来週はルーシー発掘のビデオを・・・」
とか、もう「来週は」って言った瞬間に
学生達がいっせいに教科書をがたがたがたって片付け始めたのさ。
もう、先生。怒涛の如く押し寄せる学生達の
「今、来週っつったよな。つーことは終わりだ今日は。ちょっと早いけど終わりなんだ。そうだろう。早く下のカフェテリアでコーヒー飲ませろ。学生らしいひと時を過ごさせろ。終わりだ終わりだ終わりだ。休講と早めに終わる講義こそが大学の本質!」
みたいなオーラに気圧されて、
「う、あ、ちょ。まあ、いいや(おい)」
みたいな感じになってたよ。
教授とかじゃない、どっかの研究所からきた講師の人だったけど、なんか為す術もないって感じだったね。人気の無くなった、200人を収容できる大講堂の教壇でうなだれてたよ、彼は。
帝王は授業中から読んでた京極夏彦『塗仏の宴-宴の支度-』を席に着いたまま読み続けてたので一部始終を見ていたのさ。ぬっぺっぽう。
だから最終回ではないんだ。ウザイくらい明確にしておかねば。返って最終回っぽさが増してきたよ。どうすればいいんだ!(((( ;゜Д゜)))アワワワ
「どっか遠くへ行きたいなぁって最近思わないなぁ。遠くなんてどこにでもあるし、近い所が遠くて、遠い所は近いのさ。夢想の翼を広げてー」
みたいな、精神世界の悪い使い方をする自分を戒めるべく文章を書こうと思っただけなんだ。そうなんだ。
で、まあ遠い所って結構近かったりするのは本当のことだよね。
地理的には近くにあっても一生立ち入らない場所だってあるさ。
女子寮とかね。立ち入れない場所だね。あとはいつか行こうと思っててつぶれた銭湯とか。会員になって最初に『パットン大戦車隊』を借りたのを最後に行かなくなったレンタルビデオ屋のAVコーナーとかね。
しかもパットン将軍の演説の所しか見なかったよ。その時は。
「演出:コッポラ」の表示を確認して終わりだったね。
「だったら、地理的に遠い所を探したらんかい!」
と思って、僕がピトケアン島のことを知ったのは今から丁度一年前だよ。
まあ、地理的にもその他的にも遠い所だね。行ってみたいなぁ。とも思わないなぁ。
お、今気が付いたけど冒頭に書いた講義は人類学だったよ。
ちょっとした符合に天の采配を感じる秋深まれり。蒸し暑いよね、最近。
知ってる?ピトケアン。
南極からちょっと南米方向に行ったところにある英国領の孤島なんだけどさ。
それは1790年のこと。
その実は甘露にして、栄養満点。
南太平洋における植民地戦略の重要な鍵となる食料問題を解決する
究極の完全栄養食「パンの木」。
その「パンの木」を運ぶという重大な任務を女王陛下より賜った、ブライ船長が率いる
英国船「バウンティ号」。
ピトケアンの歴史はその船で起きた乗組員の反乱から始まるのさ。
どうだい?もう、なんか聞いてるだけでセブンアップ片手に25時間ぶっ続けでTRPGやりたくなるような話だろう。トラベラーかなんかで。
その後は、なんかお約束と言うか、書くの面倒くさいな。
まあ、思えば、この話こそがそういったサバイバー的なお話の元になってるという部分もあるわけだから、お約束で当たり前なんだよな。
実際、イギリス人にとっては日本人にとっての「忠臣蔵」並みの知名度があるそうだ。
話の内容は真逆だが。
まあとりあえず、船長は追放されて、残りの乗組員は遭難しながら絶海の孤島「ピトケアン」に到着するのさ。
そんで、途中で拉致った女性の取り合いとか、覇権争いとか。
そんな感じでバトルロイヤル勃発。
でも食料は問題ないの。パンの木があるから。
結局、男で生き残ったのはジョン・アダムスという信心深い老人一人だったっつーのが、また。残りは女子供だって。そんで、ジョン・アダムスはたった一冊残った聖書を子供達に読み聞かせたんで、その島は公用語が英語なんだって。生き残ったのはほとんどがアボリジニーとの混血とかなのにね。
たまりませんねー。お話的には最高ですよ。
んで、そんなピトケアンだけど、
現在、島の成人男子全員が14歳以下の少女に対する淫行罪で起訴されて、島が始まって以来の存亡の危機に立たされているそうな。
ほら、司法制度的にはイギリスだから。
全員立件されて逮捕されたら、島に働き手がいなくなるんだって。
げらげら。
すげーよ。苛政は人を喰う虎よりも恐ろしいな、顔回!ちゃんとメモっとけよ。