帝王のラブレター

殻を割ろう

あああ。woddさんからトラバが来たよ。

http://d.hatena.ne.jp/wodd/20040919

シモンヌも裸足で逃げ出すほどの粘着質の帝王の文章に感想をくれるなんて、愛情深いお人です。きっとあなたにはラッキーコピペ50枚分の幸福が訪れることでしょう。愛だよね。やさしさだよね。この世で最も重要なのは。



卵の殻で重要だったのは、帝王の価値判断基準の境界が曖昧であるという点でした。
そうすると、最初の問題点は精神世界がどこまで矛盾を許容できるかと言う話になります。

流石、現役哲学科生です。

人間は確固たる信念を持って生きるべきだ、と考える人間の中には、確固たる信念を持っていない人間は人間でないから消さなければならない、と考えて、ある程度の断罪を自らに許し、破壊行為を行なう人がいます。これは驚くべく割合で人々の中に存在し、更に驚くべきことにこうした社会通念に組み込まれる一般概念を基礎に突飛な行動に出る人は狂人だとあまりみなされないこと。実際に殺ッちゃったら狂人ですが、潜在的に自分は断罪することを許されている、と思い込んでいる人はたくさんいます。

そうなのです。これこそが、前回の記事を帝王に書かせるに至ったきっかけとなった事象
なのです。



お茶目な帝王は三つの飲み会のお誘いを同時に約束してしまいました。
その振る舞いに対し友人からトリプルブッキングをするなんて境界が曖昧になっているのではという突込みが来たのです。


敢えて言いましょう。愛を究極の原理であると考える精神世界の帝王は友人からの飲み会の誘いを断るなんていうことは出来ないのです。しかし残念ながら帝王の体は一つしかありません。結果として約束を反故にする形となってしまい、愛は破られてしまったのです。



帝王はどうするべきだったのでしょうか。言うまでもありませんね。
精神体を現実世界に顕現させ、三つの体を作り出し同時に三つの飲み会に参加するべきだったのです。



帝王にはやろうと思えばそれが可能でした。しかしアストラルパワーを大量に消費するこの技は非常に疲れるので、年に一回お正月にしか行うことが出来ないのです。



帝王は自らの怠慢により愛を傷つけてしまった・・・。



よくあることです。だからこそ帝王は考えます。起こってしまった事。過去を変えることは人には出来ません。しかし、未来は常に可能性を持ち一人の努力で変える事が出来るのです。


夢の世界は厳しいものなのです。だから、帝王は仕事があるから、疲れてるから、お金が無いからという言葉に負けて現実に逃げてしまったのです。



しかし帝王の挑戦は止まる事を知らない見果てぬ地平を持っているのです。いつの日か帝王は愛をこの世界に満たし全ての価値観を許容するのだという夢を持っているのです。


それは信念でしょうか?違います。夢なのです。


我々の社会のルールは我々自身が身を守るために積み上げていった我々の知恵。そこから逸脱せぬように自らを律し、同調化せねばならない。しかしそのためには自らを破壊することも厭わなければならない。その苦悩な中で共存の道を模索していくのが人類って奴なのですね(何偉そうなことを)。

まぁ、この辺りのことは一々穿り返すよりフーコーでも読んだ方が早いのかもしれませんが。中々難しいですよねぇ。言ってみりゃあ誰もが変態であり、変態でない人物は独自性を持たない集合平均の人なのだけれど、皆が変態性を有することが推奨されるindividualismは我々の身を守ってはくれない。頭一つ抜けることが他と違いを見せる機会だが、見せた瞬間叩かれる。後はバイタリティと取り入る力。


帝王は今、夢の恐ろしさ、現実こそが逃げ込む場所であることを知っている人を目の当たりにして感動に打ち震えています。


あなたには、私の言う地平は見えているのでしょうか。傷つき悔し涙を流すことはあってもどうか愛の力に失望しないで下さい。


人から、夢を信念と言う言葉に置き換えられたり、愛を理念と言われたりしても悲しむことはありません。観念こそが現実であり、現実こそが終わらない一つの夢の形なのです。



まあ、一言で言えば楽しくやろうぜってことで。



ちなみに愛とは人を思う気持ちのことだね。名前を付けるまでも無いかな。